2016年01月28日

「すべらない敬語」

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梶原 しげる 著
新潮社 出版

 タイトルの「すべらない」は、テレビ番組「人志松本のすべらない話」からきていますが、その番組とは直接関係はなく、しごく真面目に敬語と向き合って書かれた本です。

 わたし自身が学校で習ったとき、敬語は尊敬語、謙譲語、丁寧語と三種類に分かれていました。それが2007年に国の文化審議会が出した最新の敬語の指針では、尊敬語、謙譲語T、謙譲語U(丁重語)、丁寧語、美化語と五種類に分けられています。これ以降わたしは、以前にも増して自分の敬語が正しいのか、自信が持てなくなりました。

 そして自分の敬語が正しいか確かめたくて、この本を手にしたのですが、この本が意図することは違うところにあります。敬語を使う本来の目的を思い出させ、敬語が正しく使えていれば、敬語を使って実現しようとしている状況を実現できると思い込むのは、誤りではないかと指摘することにあるようです。

 具体例をもとにいろいろ検証していますが、それはひとつひとつの例に対し正誤を論じるというより、その基準を(各自が各自の判断で)考えようというもので、望む状況を実現できれば、正しいと論じられている敬語を使うことにとらわれる必要はないという考えがもとになっているように思います。

 著者の指摘は的を射ていて、はっと目が覚めたように感じられた部分もありました。ただ、敬語が正しいかどうか気にする習慣がわたしから抜けたわけではありません。習慣とは、そう簡単に変わらないようです。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(日本語/文章) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする