2016年02月17日

「八朔の雪」

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高田 郁 著
角川春樹事務所 出版

 子どものころに水害で両親を亡くして天涯孤独となり、大坂の料理屋の女将だった芳に勧められて女衆として奉公していたころ、そこの主人に味覚の鋭さを高く評価され、板場に入り料理人となったという江戸時代としては異色の経歴をもつ澪(みお)が主人公です。

 幸薄い澪は、両親を亡くしたあとも困難に見舞われ、料理屋が潰れてしまいひとりになった元女将の芳と一緒に江戸に暮らしています。

 そして江戸でも料理人として働く澪は、東西の味の違いに戸惑いながらも、果敢に新しい料理に挑戦し、それを軸にエピソードが展開されます。

 エピソードごとに登場する料理だけでなく、登場人物にもそれぞれの味があって、あっさりとした描写ながら、じんわりとした温もりを残す作品です。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(日本の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする