2016年03月11日

「働くことと生きること」

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水上 勉 著
集英社 出版

 生きる糧を得るために働く必要のあるわたしにとって、働くことと生きることは密に結びついていますし、また、どちらを欠くこともできません。それでも、この作家がここに書いている「働くこと」も「生きること」も、わたしが見てきた景色とは随分ちがっていて、長い紐をたぐり寄せるように考えないと理解できないことがほとんどでした。

 わたしもそれなりに長い期間働いてきましたし、生きてもきましたが、この本に書かれたことをすんなりと理解できない理由のひとつは、この作家が生きた時代とわたしの時代が、半世紀に少し足りない時間枠で、ずれていることにあると思います。

 ただ、そのずれを乗り越えてでも、この作家の言わんとすることを咀嚼し、いくらかでも自分の身に置きかえて考えてみることは、意味あることでした。

 この本に書かれてある「天職」も「己れの道」も「労働の尊さ」も、きちんと理解できたかどうかわかりませんが、仕事に向きあうときの芯となる心構えのようなものをわたしなりに考える機会を得た気がします。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(エッセイ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする