2016年03月13日

「想い雲」

20160313「想い雲」.png

高田 郁 著
角川春樹事務所 出版

八朔の雪」から始まるみをつくし料理帖シリーズの第三弾です。

 相変わらず厳しい試練が矢継ぎ早に降りかかるものの、それぞれあっという間に解決される展開が続き、ややマンネリな感じになってきました。

 いっぽう、温室もなければ、輸入食物もなく、季節のものをそのときどきで食すという点で、季節が巡り食材も巡ってくる状況で、新しい料理を生みだす展開のほうが、忙しい現代の生活において食を疎かにしがちなわたしの視点から見て、より新鮮な印象を受けるようになった気がします。

 今回は「ふっくら鱧の葛叩き」のエピソードで、初夏の鱧で季節を感じる場面が印象に残っています。上方出身の澪が、江戸では見られない鱧を懐かしむ姿は、わたしの経験とも少し重なり、食べ慣れたものは忘れないのだと、いまさらながら思いました。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(日本の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする