2016年09月30日

「日本のタブー」

20160930「日本のタブー」.png

副島 隆彦/SNSI副島国家戦略研究所 著
ベストセラーズ 出版

 本質的な部分を知ろうとせずにものごとをイメージで判断してしまうことは、誰にでもあると思います。そしてそのイメージが誰かによって巧妙につくりあげられたものならば、その本質を見極めることは、一種のタブーといえなくもありません。タイトルのタブーは、そういう意味です。

「日本じゅうの人々が間違ったイメージに捉われているが、正しくはこうだ」と、敢えて(禁を破って)真実を披露しようという語調で始まりますが、SNSI副島国家戦略研究所 の関係者がそれぞれ10ページ程度で述べる各論は、そこまで大層な内容ではありません。たとえばある人は、魂は不老不死だと根拠を述べることなく唐突に主張し、あとは延命治療や尊厳死の話題でお茶を濁しています。人の思い込みを覆そうという意気込みなら、もう少し論理的に展開すべきでしょう。

 過激な導入で読者をつって、薄っぺらな内容を言いたいように言っているだけに見えて、あまり印象がよくありませんでした。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(エッセイ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月29日

「レッドゾーン」

20160929「レッドゾーン」.jpg

真山 仁 著
講談社 出版

 普段、経済小説を読まないので、最後まで読みきれるか自信がありませんでした。それが意外にもテンポよく読み進められました。物語の中心に据えられた企業買収が、買収を防ぐ側から描かれていたことが理由のひとつです。

 わたしが勤める会社は小さな会社ですが、その分野では一番手だといわれる会社になりました。もちろん成長もしているのですが、メガ企業が競合会社をみな買収してしまったことも一因としてあります。

 この本を読んでいるあいだじゅう思っていたのは、買収防衛策に費やされる手間や時間を考えれば、株式を公開するリスクを背負わないという選択(わたしが勤める会社のオーナーが採った選択)は、充分合理的なのだということです。資金調達を一気にできなくとも、毎年2桁成長を続けていれば必要な投資はできるという、オーナーの考え方の堅実性が、再認識できた気がします。

 それに加え、日本が中国に買い叩かれる時代の恐ろしさをひしひしと感じるスリルも、読むテンポをあげる効果がありました。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(日本の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする