2017年01月25日

「パーネ・アモーレ―イタリア語通訳奮闘記」

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田丸 公美子 著
文藝春秋 出版

 米原万里氏のエッセイにたびたび登場する本書の著者田丸氏は、文中でシモネッタという名前でも呼ばれていました。もちろんシモネタからきています。

 そのため田丸氏=シモネタのようなイメージがあったのですが、このエッセイに登場するのはもっぱらイタリア語通訳の第一人者としての顔のほうです。

 イタリア語通訳の第一人者だけに、通訳として付き添う相手も錚々たる顔ぶれで、一般聴衆から見えない部分のエピソードは興味をそそられました。また、海外留学がいまほど当たり前ではなかった時代に『ぶっつけ本番』といってもいい通訳者デビューを果たした度胸には感嘆しました。

 日本で接する機会の多い英語や中国語ではない『イタリア語』通訳としての苦労は、米原氏のロシア語通訳に通ずるものがあって、わたしにとっては目新しいエピソードでもありませんでしたが、イタリア滞在中の出来事などはやはりイタリアというお国柄が出ていて楽しめました。

 通訳は、スピードを求められる仕事だけに緊張や不断の努力を強いられるのでしょうが、適度に散りばめられたユーモアのおかげで、自慢話が鼻につくことのないエッセイになっています。イタリアや通訳という仕事に興味のある方が軽い読み物として選ばれると、いいかと思います。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(エッセイ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする