2017年10月28日

「ガイコツと探偵をする方法」

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レイ・ペリー (Leigh Perry) 著
木下 淳子 訳
東京創元社 出版

 原題は「A SKELETON IN THE FAMILY」です。これは「A SKELETON IN THE CLOSET」とか「A SKELETON IN THE CUPBOARD」とか「A FAMILY SKELETON」(直訳すると「クローゼット(戸棚)のなかの骸骨」とか「家族の骸骨」という意味)をモジッています。「英語クリーシェ辞典」(ベティ・カークパトリック著、研究社出版)によると、恥ずべき秘密を指す言い回しだそうです。殺された人の遺体が戸棚などに隠されていて、もう白骨化しているという発想からくるもので、19世紀中頃からクリーシェになったそうです。「Scholastic Dictionary of Idioms」(Marvin Terban著、Scholastic Inc.出版)では、語源は不明としつつも、もう少し踏みこんで、ある男が敵を殺してクローゼットに隠していたものの結局はその骸骨が見つかってしまった話があったと書かれています。

 このクリーシェを文字どおりにとって、その意味としたのが本作品です。つまり、クローゼットのなか(あるいは屋根裏部屋)に骸骨がいて、その骸骨が外聞をはばかる秘密だという設定です。タイトルのとおり、そのガイコツと一緒に謎を解かんと探偵のように奮闘するのですから、そのガイコツ(名前はシド)は、眼球もないのみ見ることができ、脳もないのに考えることができ、舌もないのに喋ることができます。おまけにユーモアのセンス(少し子供っぽいというかオジサンっぽい)も持ちあわせています。そして、その相棒となるのは、一家の次女ジョージアです。ジョージアは、6歳のときに初めてシドと出会い、約30年経ったいまは、ティーンエージャーの娘を抱えるシングルマザーです。

 語源どおり、この作品でもガイコツが見つかってしまうのかハラハラしますが、シドの描写と人格というか骸骨格(純粋に『人』とは呼びにくいですから)が、ことばの遊びにもなっていて、謎解きと同じくらい楽しめました。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | 和書(海外の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする