2018年03月05日

「縮小ニッポンの衝撃」

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NHKスペシャル取材班 著
講談社 出版

 テレビ番組のために取材した内容がまとめられたものです。財政破綻した夕張市のその後を取材したり、限界的集落ではなく本当に消滅してしまった集落(島根県江津市の瀬尻集落)の最後の住人を訪ねたり、行政のサービスが住民に移管された地域を比べたりといった取材には、生々しい住民の声がありました。どれも、先例のないスピードで少子高齢化が進む日本で起こると想像していたことばかりですが、やはり経験者が語ることには、想像を超える切実さがありました。

 その切実さは、代々受け継がれてきた土地に対する思いや住みなれた環境に対するこだわりを捨てる以外の選択肢がなくなったことから生まれています。集落からはずれたところにたったひとり残された住人のための道路や水道といったインフラを維持するため、年間数百万円も支出するといったことが不可能になり、転居した人。その一歩手前で、数戸の集落がそろって移転する計画を相談する人々。さらにその少し前で、行政がサービスを提供できなくなり、自らの手で行政の機能の一部を担う自治組織(『地域運営組織』)を担っていく人々。それらの人たちからは、不安や諦念や怒りが窺えますが、いま都会に住んでいるわたしたちも、そこから学ぶべきことは多いように思いました。

 たとえば、いま住んでいるところから知らないどこかに転居を強いられることになったとき、理不尽だと思うのなら、いまできることを何かすべきだと思います。たとえば、地方行政に関わる仕事をしていて、その団体がなくなると決まったとき、後悔するのなら、生き残りをかけてすべきことがあると思います。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | 和書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする