2018年09月21日

「The Green Mile」

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Stephen King 著

 Stephen King の本は、著者名がタイトルの数倍大きく書かれているのが一般的です。それだけ、読者の期待を裏切らない作家だということなのでしょう。

 この作品もそうでした。最後の最後まで気になる謎が残り、それが明かされるまで読んでしまいました。もちろん、この作品の魅力は、伏線とその回収といった構成だけではありません。それぞれの登場人物を通して見える人生の現実に共感したり、学んだりする点が多くありました。

 この作品には、常識を超えた力をもつ人物が登場しますが、その非現実性を超える圧倒的なリアリティを感じました。誰も持たない能力を持つ人が活躍してハッピーエンドを迎えると、そんなことは起こりえないと根拠もなく思ってしまいますが、特殊な能力の代償があまりに大きいと、なぜか現実的に見えてしまいます。

 リアリティとは『割り切れないもの』と言い換えられるのかもしれません。表裏一体の関係にあるものごとの表側しか見ないのではなく、この小説の主人公が語るような裏側も描かれると、一気にリアリティが増すように思えました。

 そのリアリティのなかに人生の哲学を見た気がします。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | 洋書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする