2018年09月22日

「経済ってそういうことだったのか会議」

20180922「経済ってそういうことだったのか会議」.png

佐藤 雅彦/竹中 平蔵 著
日本経済新聞社 出版

『経済』ということばを日常的に耳にしているわりに理解していなかったと知ることができました。

 たとえば通貨 (主権)。当たり前すぎて考えたこともありませんでしたが、日本は国内どこでも通貨は円です。つまり、沖縄も東京も同じ通貨を使い、金融政策も同一です。もし、沖縄の景気がとても悪く東京の景気がとても良かったとしても、それぞれ異なる金融政策をとることはできません。(景気の良い東京では引き締め、景気の悪い沖縄では緩めるといったことは不可能です。)

 そうなるとどうなるか。この本では、景気の悪いほうから景気の良いほうへ、人のほうが動くと説明されています。東京一極集中状態を見る限り、その説明は正しいように見えます。

 そう考えると同一通貨の範囲は、インパクトの大きい問題だということになります。たとえば香港が中国に返還されたとき、通貨は米ドルにペッグした香港ドルを維持しました。また、イギリスは、EU に加盟してもポンドを使い続けました。『通貨主権』について考えたこともなかっただけに当たり前だと思っていたことへ至った決断があったことに今更気づきました。

 さらにこの本では日本の通貨、円が国際化する (円で国外での取引が可能となる) ことによって、為替リスクを負わずに済むというメリットが生まれるいっぽうで、日本銀行のコントロールが及ばなくなるデメリットがあると説明しています。日本と関係のある国や地域で円のマーケットができると、そこでの需要と供給で自由に取引が行なわれて円の金利が決まり、日銀が国内の通貨量を増減させることによって金利を調整しようとしても、最終的には外からの影響を受けて円の金利が決まってしまい、通貨主権が結果的に放棄されてしまうわけです。

 仮想通貨が加わったこれからの時代、通貨はどうなっていくのでしょうか。経済をテーマにしたこの本のなかで、それが一番気になりました。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | 和書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする