2019年03月23日

「代書屋ミクラ」

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松崎 有理 著
光文社 出版

 私が行政書士試験に合格したと話した相手の方からいただいた本です。行政書士 → 代書屋のイメージだったのでしょう。

 いわゆるライトノベルなのですが、おもしろいのがこの代書屋という仕事です。大学の研究者からの依頼を受けて、集められたデータをもとに論文を代書するのですが、怖いことに論文として雑誌に掲載が認められた場合のみ報酬が発生する契約になっています。

 なかなかシビアな設定ですが、主人公ミクラの恋愛に関する鈍さが筋金入りで、笑っていいのか憐れんでいいのか微妙なところがコミカルです。しかも研究課題もちょっと笑えます。

 研究者の業績発表数を根拠に結婚によって生産性が低下するかどうかを検証したり、禿頭は進化生物学的に有利かどうか研究したり、無人販売の代金回収率を根拠に人間の良心を測定したり、結婚における男の評価基準を明らかにしたり、目標を紙に書くことによって目標の実現率が変動するか検証したりと、どれも肩の力が抜ける内容です。

 倫理面はもちろん、実際には論文の仕上げをアウトソースする予算もなく、こういった仕事が実現する可能性は低いと思いますが、あったらおもしろそうだとは思いました。気分転換にはいい本かもしれません。
posted by 作楽 at 21:00| Comment(0) | 和書(日本の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする