2019年05月16日

「ハードボイルド・エッグ」

20190516「ハードボイルド・エッグ」.png

荻原 浩 著
双葉社 出版

 コミカルなミステリです。迷子のペット探しが得意でハードボイルドとは無縁な 30 代の探偵と、したたかなおばあちゃん秘書の凸凹コンビが笑えます。

 コメディ路線であることを考えると、犯人はすぐわかってしまうのですが、凸凹コンビの掛け合いと探偵のお人好し加減が軽薄すぎず、ほどよい柔らかさです。

 ひとつひとつの場面に散りばめられた意外性も楽しめますが、結末に明かされるおばあちゃん秘書の本音に自分の姿を見たときは、ほんわかとした雰囲気のなかに人の本質も描かれていたのだと思えました。

 深刻な現実がコミカルに描かれ、ユーモアでやり過ごすようなところは、「さよなら、そしてこんにちは」と似たような印象を受けました。くよくよしがちなわたしには、こういった作品が合っているのかもしれません。
posted by 作楽 at 20:00| Comment(0) | 和書(日本の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする