2019年06月14日

「パコと魔法の絵本」

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関口 尚 著
幻冬舎 出版

 コメディタッチの日本版クリスマス・キャロルといった作品です。

 高度成長時代に身を粉にして働いて一代で財を成し、自らのことを偉いとするいっぽう周囲を見下す、ステレオタイプな嫌なオヤジが、あることをきっかけに悔い改めます。そのきっかけが読者の涙を誘う切ない不幸で、作品全体としては陳腐です。

 ただコミカルに描かれている点が評価できます。ひたすら湿っぽく描くなら誰にでもできそうですが、クリスマス・キャロルをコメディにするという果敢な挑戦はある程度成功しています。嫌なオヤジだけでなく脇役も、それぞれの個性が描きわけられ可笑しみに貢献しています。

 過去に映画化されたようで、それも納得できました。
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2019年06月13日

「Around the World in 80 Dates」

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Jennifer Cox (ジェニファー・コックス) 著
William Heinemann 出版

「80 日間世界一周 (原作はフランス語ですが、英語だと "Around the World in 80 Days")」から、本作の 80 という数字が生まれたのは間違いないと思うのですが、それでも 80 回のブラインドデートを目的に世界を一周するというのは、いくらなんでも無謀な試みではないかと読み始めたときは思いました。

 それが読み進めるにつれ、80 回のブラインドデートを敢行すると決めた Jennifer の考え方に納得したり、共感を覚えたりすることもあり、意外にも楽しく読み切れました。

 Jennifer にとってこの 80 回のブラインドデートの旅は、ソウルメイトを見つけるためのものです。でも、会うだけで相手がソウルメイトだとわかるのか、彼女は確信がもてませんでした。それで、The Science of Love and Passion というペーパーを書いた教授を 4 番目のデートの相手に選び、自分の考えを整理したり、その後その知識を活用したりします。

 多少情報武装しているところはありますが、基本的には自分の直感を信じて行動する Jennifer に共感できたのは、幅広く人の意見に耳を傾け、でも最後はきちんと自分で決め、周囲の人たちの気持ちをおもんばかり、自分を支えてくれる人たちに感謝し、自分で正しいと思えることを行動に移す彼女の生きる姿勢のようなものです。

 ロマンス小説に分類できますが、ソウルメイトを追い求める Jennifer の成長物語ともいえる作品です。結末は、その結末しかないと思えるような終わり方で、読後感が良かったと思います。
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2019年06月02日

「最新 LINEビジネス活用講座」

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菅谷 信一 著
主婦の友社 出版

 Amazon のカスタマーレビューで高評価を得ていた書籍です (2019 年 5 月 20 日に確認)。

 一般消費者を顧客とするビジネスにおいて、常連、言い換えれば自らの商品やサービスのファンを獲得していくことは重要で、そのツールとして LINE@ を活用していきましょうという内容です。

 わたしも LINE を使っていますが、ほとんどが友人とのやりとりです。メールと違ってスタンプのやりとりが根づいていることが主な理由でしょうか。返信を書く余裕がないとき、さくっとスタンプを送って気持ちだけ返信できて使い勝手がいいと思います。

 いっぽう本書にあるようにビジネスで LINE@ を使うメリットは、(潜在) 顧客との関係維持に効果を期待できる点です。昔と違って電話をかけることの心理的ハードルが相当あがりました。世代による差がありますが、プライベートで電話をかけるには事前に相手に都合のいい時間を確認する人が増えている印象があります。そしてプライベートで電話を利用する機会が激減することにより、店などの事業者に電話をかけるのを億劫に感じる人も増えているのでしょう。

 そういった変化のなか、中高年も含め広い世代に活用されている LINE を使って情報を発信したり気軽に問い合わせや予約を受けたりできるのは、小規模事業者にとって確かに魅力的だと納得できました。

 ただ LINE には、顧客に対し名前や電話番号などの個人情報を求める必要がなく (潜在) 顧客に LINE 登録してもらいやすいというメリットがあるいっぽうで、文字数といった制限もあります。そういった制限の克服方法についても書かれていた点が評価できました。

 全体的に、小規模事業者にとって実際的な内容だと思います。
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