2019年07月13日

「いっしょにうたおう♪ マザーグースのうた」

20190713「いっしょにうたおう」.jpg

鷲津 名都江 著
葉 祥明 絵
Jリサーチ出版 出版

Humpty Dumpty sat on a wall,
Humpty Dumpty had a great fall.
All the king's horses,
And all the king's men,
Couldn't put Humpty together again.

 そう軽やかに歌うテープをむかし繰り返し聞いた記憶があるので懐かしくなり、手にとりました。軽い気持ちで読み始めたのですが、思った以上に読み応えがありました。

 おとな向けの解説が巻末にあり、知らなかったことが満載で、リズム感のいいマザーグースの歌の意外な面を知ることができました。

 まず、イギリス伝承童謡の総称として知られるマザーグースという名前は、日本や米国で使われている呼び名で、本家本元、イギリスでの呼称はナーサリー・ライム (Nursery Rhymes) というそうです。

 そして、昔から親しまれている童謡なら当然かもしれませんが、これらの詩から生まれた慣用句もあるようです。上記 Humpty Dumpty から生まれたのは、all the king's men。「壊れたものは元には戻らない」、つまり「覆水盆に返らず」の意味で、新聞の見出しや小説のなかでもよく使われているそうです。ウォーターゲート事件を暴き、ニクソン大統領を失脚させるきっかけとなった、ワシントンポストの記者が書いた本のタイトル「All the President's Men (邦題:大統領の陰謀)」は、all the king's men の king を大統領の President に入れ替えたもので、ニクソン政権が元に戻らないことを示しているとか。

 韻を踏んだ軽快なリズムは、翻訳では味わえないものなので、しばらくの間ダウンロードしたこの本の音源を聞きたいと思います。
posted by 作楽 at 21:00| Comment(0) | 和書(欧米文化) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする