2008年07月14日

「Escape From Memory」

20080714[EscapeFromMemory].jpg

Margaret Peterson Haddix 著
Simon Pulse 出版

 「Double Identity」と同じ作者だけあって、先が気になってページを繰らざるを得ないような展開になっています。

 物語は、英語ではないことばの会話で始まります。そのことばは、母親が赤ん坊をあやしている声です。その背景には銃のような音が聞こえています。

 いきなり銃の音が背景に聞こえてきて、どんな展開になるのかと一瞬思ったのですが、すぐに場面は移り、15歳の少女が、遊びで友たちにかけられてしまった催眠術から目覚めます。主人公は、この少女です。彼女はこれをきっかけに、催眠術中に自分が口にした知らないことばのこと、母親のこと、などを疑問に思い始めます。そこから、母親が少し変わった習慣や習性をもつこと、父親がいないこと、母親が運転しないにも関わらず車があること、など周辺のことが見えてきます。何かありそう、と思わせる展開で進んでいきます。

 「Double Identity」と同じ作者と思って読み始めたからか、ふたつの物語に共通点が多いことに気づきました。

 たとえば、主人公の少女がひとり娘で、親が目の前からいなくなってしまい、その瞬間からひとりぼっちになってしまうこと。主人公の出生の秘密がつきまとうこと。そして、敵となる存在がいることはわかっても、その相手のことが見えないこと。その上、その相手が見えてからも、何を求めて主人公につきまとってくるのかが、最後の最後までわからないこと。物語の底辺に先進技術があるからこそ、成り立つストーリーだということ。

 伏線がめぐり張らされていて、展開が二転三転しても、なんとなく納得してしまう点も、似ている点といえばいえると思います。

 共通点が多いので、いろいろ比較してみましたが、ひとことでいえば、「Escape From Memory」よりもやはり、「Double Identity」のほうがおもしろいと思いました。「Escape From Memory」は現代の技術との乖離が大きくて、それは無理だろうと思ってしまったりして想像を阻害する要素があるのですが、その点で「Double Identity」は有利だと思います。(「Double Identity」のほうの技術をまったく知らないのでわたしの知識範囲の問題かもしれませんが。)

 この作家が、ほかにも似たような作品を発表しているのかなと思い調べてみたところ、ベストセラー作家のようだとわかりました。シリーズものもあるようなので、機会をみてまた読んでみたいと思いました。
posted by 作楽 at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋書(Young Adult) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック