2008年12月26日

「待ちに待った個展の夜に」


待ちに待った個展の夜に
Amazonで購入
書評/ミステリ・サスペンス


 帯には、「コーンウォール・ミステリ第4弾」とあります。コーンウォールは、英国西部突端にあたる地方です。わかりやすい地図が巻頭にありました。マウント湾に面したところに、主人公ローズ・トレヴェリアンの住むペンザンスはあります。

 ローズは、夫を亡くし、ひとりで暮らす40代後半女性。夫を亡くしたあと、油絵を描くようになり、その成果として個展を開くことを夢としていました。そして、それがいよいよ現実になります。個展初日、両親や友人に囲まれ、自分の絵に売却済みのシールが貼られるの見ながら楽しい夜を過ごします。しかし、その場に友人のエッタ・シノウェスの姿が見当たりませんでした。彼女の息子ジョーが転落死していたのが見つかったからです。事故か事件か? そこから、コージー・ミステリが始まります。

 コージー・ミステリだから仕方がないのかな、と思いながらも、ミステリとしては物足りなさを感じました。一番の理由は、ちょうど中盤になってから、鍵となる事件や人物が唐突に登場してきたからです。

 ただ、コーンウォールの海辺の生活や風景が存分に描かれていて、そこで暮らす人たちも自然体なので、読んでいてリラックスできます。都会にはない居心地のよさといったらいいでしょうか。そういう楽しみがあります。

 イギリスといえば、ロンドンくらいしか思い浮かびませんが、スコットランド方面に向かわなくても、西部に向かえば、こんな光景があるのかと、行った気分を味わえながら、ミステリを楽しめます。
posted by 作楽 at 08:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(海外の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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