2009年06月03日

「なほになほなほ―私の履歴書」

20090603[NahoniNahonaho].jpg

竹本 住大夫 著
日本経済新聞出版社 出版

 人形浄瑠璃の大夫であり、人間国宝でもある竹本 住大夫が日本経済新聞の「私の履歴書」に書いた内容に加筆されたものが本書です。「なほになほなほ」は、著者と親交のあった奈良にある薬師寺の管長、高田好胤氏が著者に送った次の一文からタイトルになりました。
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奥深き語りの技を ただただに磨ききたりて今日の功 なほになほなほ
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 大夫が人間国宝の認定を受けたときのことばだそうです。

 ひとは、生まれてから死ぬまでの時間を自分のため、家族のため、身近なひとのために使うと同時に、ひと全体としてなにかを継ぐためにも、生きるのだと思いました。人形浄瑠璃というのは、日本を代表する文化のひとつです。その文化を継ぐために精進に精進を重ねてこられた大夫の人生が伝わってくるのが、この本です。大阪弁で語られる文章には、大夫の人柄がにじみでて柔らかくもあり、厳しくもあります。

 人形浄瑠璃を文化として継いでいくには、太夫のように演じる側だけの問題ではありません。ごく一般的な日本人が身近に感じながら楽しんで、初めて文化と呼べるのだと思います。ひとりの日本人として文化を継いでいくということを考えさせられました。
posted by 作楽 at 07:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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