2009年06月24日

「ぬかるみに注意」

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生田 紗代 著
講談社 出版

 何気ない日常のできごとを綴った短編ばかり四編収められています。

−ぬかるみに注意
−カノジョの飴
−浮いたり沈んだり
−魔女の仕事

 日常を切り取ったかのような作品は数多くあります。でも、そういう作品の大多数には、作者が特別気にかける何かが伝わってくるのですが、これらからそういう何かを感じられませんでした。それは、わたしには「不思議な感じ」をもたらしました。

 なので、自分なりに想像というか推測してみました。まず、作品を読みながら、読者が自分の過去から何かを自ら見つけ出してくれるのを待っている作品なのかもしれないと思いました。あるいは、わたしが振り返っても思い出せないくらい若い世代の人たちだけの価値観で成り立っている作品なのかもしれません。若者には若者の価値観があります。そして、そのなかの一部を、長年社会人として過ごしてきた世代も覚えていると思うのです。それは、失ったことを懐かしんだり、持っていたときを羨んだり、そういう類の一部のものだけ。そして、厳密にはもとのかたちを留めていない少し幻影や嘘が入ったもの。だから、若い世代のリアルな価値観が作品のなかにあっても、わたしには共感が感じられないのかもしれません。

 どの推測が的を射ていても的外れでも、わたしには、もっとわかりやすい作品が合っていると思います。
posted by 作楽 at 07:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(日本の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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