2009年10月20日

「大阪弁ちゃらんぽらん」

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田辺 聖子 著
中央公論社 出版

 いろんな品詞にわたる大阪弁をとりあげて、それぞれを考察したもの。著者の大阪弁に対する愛着が伝わってきます。

 以下が目次。

  ああしんど
  「あかん」と「わや」
  「あほ」と「すかたん」
  えげつない
  チョネチョネ
  けったいな
  こまんじゃこ
  あんばい
  ややこしい
  しんきくさい
  いちびる
  ねちこい
  あんだらめ
  あもつき
  あかめつる
  ぼろくち
  ウダウダ
  タコツル
  「サン」と「ハン」
  てんか

 あんだらめやタコツルなどは、わたしは使ったことがありませんが、ほかは頻度に差はあるものの日常的にに接してきたことばです。しかし、説明できるかというと難しいものが多いです。

 関東に住むようになってすぐの頃、関西弁について説明しなければならない状況に陥ったことが何度もありました。「てんか」のような語尾変化で明らかに関西風といったものは避けられるのですが、「いちびる」といった普通の動詞に見えるものなどは、関西弁という意識がなくつい使ってしまい、どういう意味か訊かれる羽目になったものです。しかし、この「いちびる」の説明は本当に見事でした。こういう風に説明すればよかったのか、と今さらながら思いました。

 また、あほのニュアンスも簡潔に説明されています。「大阪のあほは、これは私の長年の持論であるが「マイ ディア……」という感じで、親愛をこめた、ぼんやりした雰囲気の言葉である。」とあります。この「親愛」ということばが出てくるあたり、うまいなあ、と思います。「あほやなあ」と言われても、傷つくことはありません。そのあたりが、関東の人には説明しにくく、あるとき「上司とかにあほって言われたら、とりあえず安心するし」と言ったら、驚かれてしまいました。あほと言われているうちは、見下されていることもなければ、見捨てられていることもありません。上司が想定する範囲のミスをしてしまい、注意するようにと言われている程度と受け止められます。これが、馬鹿になると、この先を案じることになります。

 ほかに、ウダウダは、ごじゃごじゃと比較されています。ウダウダはまったく理のないことをいうことで、ごじゃごじゃはそれに比べるとまだ言い分が通りそうなニュアンスがあるそうです。言われてみれば、そのとおり。

 大阪弁を通して、人と人のつながり方や、自分自身や他人との距離のとり方などまでも見えてくるような本です。
posted by 作楽 at 00:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(関西) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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