2010年01月07日

「大阪人の胸のうち」

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益田 ミリ 著
光文社 出版

 関西出身で関東に住むようになったという点に、著者とわたしは立場が似ています。ただ、著者のほうが関東在住歴が長く、観察力が優れているのか、言われてみてあらためて気付く点がありました。

 たとえば、大阪人のサービス精神について、次のように書かれています。
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 世間さまが期待しているのを察し、つい調子に乗ってやってしまうサービス精神。大阪人はいつも損得ばかりで動いているわけではなく、ときには、損をしてでも笑いを選んじゃう清々しさを持ち合わせているように見える。
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「笑い」は関西人にとって大きなものさしです。仕事上の議論でも、優先順位は2位くらいを確保しているような気がします。まして、雑談となると、「笑い」の地位はトップから動くことはありません。東京の人と話していて、オチはいつ? それのどこが面白いの? と、わけがわからなくなり、会話についていけない迷子になったことがよくあったことを思い出しました。

 あと、おじさん世代の、駄洒落というかおやじギャグにかける熱意も半端ではない気がします。100回無視され続けても、101回めにクスッと笑ってもらえたらいいくらいの熱意を感じます。この本で紹介されているのは、ある社員食堂のおじさん。メニューボードにダジャレを活用しているようです。
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●景気を揚げそば(揚げそば)
●華麗なる昼食(カレーうどんとかやくご飯のセット)
●手前味噌カツ(普通の味噌カツ)
●味のいい! アジの塩焼き
●チキンのから揚げ 阪神タイガース風(から揚げ)

 最後の「チキンのから揚げ 阪神タイガース風」は、最初、なんでこのネーミングなんだろう? と考えていたら、から揚げが6個(六甲)と大根おろし付きで、六甲おろし……。
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 害はないものの、その熱意がどこから来るのか、関西だけで育つものなのか、関西出身でも答えられません。でも、たしかにこういうおじさんは、関西ではどこなりと居そうです。

 「言えないコトバ」のときも思いましたが、この著者はタイトルにあるとおり「胸のうち」を表現するのがうまいと気がします。言われてみればそうかも、と見逃していたことに気づきました。
posted by 作楽 at 07:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(関西) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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