2010年03月26日

「Night Frost」

20100326[NightFrost].jpg

R.D. Wingfield 著
Crimeline 出版

 デントン署は今回も人手不足。原因は猛威をふるうインフルエンザ。誰もが通常の二倍働くなか、フロストと新しいつかの間の相棒ギルモアはさらにその上をいき、例によって寝る間もなく働き通しです。しかも、今回の相棒ギルモアは前作二作とは違い、既婚者。前作のようにいいムードになった女性との逢瀬をフロストの容赦ない指示で邪魔されるのとは違い、妻に愛想をつかされ、家出されてしまいます。

 そして、仕事のほうはといえば、二ヶ月も行方不明だった15歳の少女が死体で発見された殺人事件、脅迫状を送りつけられたうえ家を燃やされてしまった夫婦の放火殺人事件、年金暮らしのお年寄りばかりが狙われる連続殺人事件、他人の秘密を手紙で書き送る脅迫事件と、人手不足もお構いなしに次から次へと事件が起こります。

 個人的には、前作の「Touch of Frost」に比べると見劣りがした気がします。ひとつは、前作のほうが伏線の張られ方が巧みでミステリとして読み応えがあったと感じたことです。もうひとつは、前作では少しは論理性も備え、そこそこの推理を披露してくれたフロストが、今回は勘だけに頼り、越えてはいけない一線を越えてしまったことに共感できなかったことです。実際の現場では、一線を越えるところまで追い詰められるのかもしれませんが、そこはエンタテイメントのなかのことなので、やはりフィクションとして前作のように頑張って欲しかった気がします。

 そうはいってもやはり、よれよれでスケベなおじさんキャラのフロストが放つ強烈な個性といい、これだけの事件を収束させる手際といい、よくできたシリーズだと思います。次「Hard Frost」も楽しみです。
posted by 作楽 at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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