2010年05月11日

「The Christopher Killer (Forensic Mystery)」

20100511[TheChristopherKiller].jpg

Alane Ferguson 著
Puffin 出版

 将来は法医学者になりたいと思っている17歳の女子高生キャメラインが主人公。父親と祖母と一緒に暮らし、母親はいません。幼少のころ、家を出ていったまま音信不通です。

 父親が検視官をしているため、その助手として働けないかとキャメラインは交渉し、あっさりと認められ、将来の夢にそなえて検視に立ち会ったりするようになります。ただ、とても小さな町に住んでいるので、そんな凶悪な事件が起こることは父親も想像していませんでした。それなのに、連続殺人の4人目の被害者を検視することになったのです。しかも、被害者はキャメラインのアルバイト仲間の女の子。

 事件と並行して、母親の行方についても進展があり、連続殺人事件と家族関係の再構築が二本の柱となって、物語が進行します。

 事件のほうは、法医学者としての仕事範囲、手順、医学知識などを読者にわかりやすく説明するためか、展開がゆっくりとなっています。加えて、キャメラインの観察力の鋭さを前面に出すために、小さなことも丁寧に描写されるため、ほぼ結末の段になるまでは、手がかりになることがひとつひとつ積み上げられるだけなので、ダイナミックさに欠ける気がしました。それでも、最後のほうはテンポよく展開し、とても楽しめました。

 あと、興味深かったのは霊能力者の登場です。「As Simple as Snow」にも登場しましたが、日本に比べ、米国では事件捜査への関わり方が深いのかな、と思いました。この霊能力者が実は、キャメラインが抱えるもうひとつの問題、家族のことを言い当てたのはおもしろいエピソードだと思います。

 シリーズになっている作品ですし、なかなか人気は高そうです。
posted by 作楽 at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋書(Young Adult) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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