2010年06月30日

「関西弁講義」

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山下 好孝 著
講談社 出版

 最後は「やはり、関西弁は外国語なのである。」と締めくくられています。そう、この著者は関西弁は外国語だと主張しているのです。多少誇張が入っているとはいえ、この本を丁寧に読んでいくと、荒唐無稽な主張ではないと理解できます。というのも、外国語という定義にあいまいさがあるからです。違う国の違う言語であっても、同一国の方言同士ほども違いがなく意思疎通に支障のない複数の言語というものがあるからです。

 まあ、外国語と呼ぶかどうかは別にして、関西弁話者が標準語を話せるようになるには、外国語を習得するのと似たような手順を踏まなければならないという説明は、ある程度納得ができました。

 もちろん英語などの比べると、名詞や動詞などの単語をひとつひとつ覚える手間が省けるのですが、音とアクセントの相違に関しては、標準語と関西弁との隔たりは小さくありません。特に関西弁のアクセントのバリエーションの多さは、標準語の比ではありません。そのアクセントに慣れていると標準語のアクセントがおかしく聞こえてしまう、という現象も関西弁話者として体感できることです。それは、逆のパターンでも起こります。標準語話者が関西弁を話しているとき、なんともいえない不自然さを感じます。でも、どこがどうと言いあらわせないのです。それは、文字に落としてしまえば間違っていないけれど、音やイントネーションとしては別物だからだということが、この本を読んで理解できました。

 わたしは一応関西弁話者であり標準語もある程度わかっていると思っていました。しかし、関西弁と標準語がどう違っているのか、理解できていませんでした。その理解を助けてくれたという意味で、この本は印象的でした。
posted by 作楽 at 07:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(関西) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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