2010年08月02日

「消えた錬金術師−−レンヌ・ル・シャトーの秘密」

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スコット・マリアーニ (Scott Marinani) 著
高野 由美 訳
河出書房新社 出版

 プチ「ダ・ヴィンチ・コード」といった印象でした。歴史上の人物フルカネリという錬金術師が残したといわれる手稿を探す元SAS(英国陸軍特殊部隊)隊員のベン(ベネディクト)・ホープと、フルカネリと専門が似ているという理由で巻き込まれる女性生物学者ロベルト・ライダーが、危険を潜り抜け目的のものを探し出すというストーリーです。

「ダ・ヴィンチ・コード」のプチ版という印象を受けた理由は、同じ歴史ミステリでも歴史上の人物の有名度が低いため、ちょっと小粒な印象になってしまう点がひとつと、もうひとつは、展開のスピードがゆっくりめで、「ダ・ヴィンチ・コード」のようにひとつの手がかりから次の手がかりへと目まぐるしく状況が変わっていくというほどのスリルはありませんでした。

 ただ、主人公のベンが特殊技術をもった軍人だったことから、アクションは数段上です。個人的には、ロマンスといった面も「ダ・ヴィンチ・コード」より気に入っています。なにしろ、ベンは不器用だし、ロベルトは直情的で、そういう展開になりますか! と驚きが待っています。

 たとえば、ロベルトが敵に誘拐されてしまい、ベンは無事救出することができたのですが、あまりに心配しすぎて、勝手にいなくなったロベルトと責める場面があります。責められたロベルトが唇と手をわなわなと震わせているのを見たベンは口調を緩めるのですが、もう手遅れ。ロベルトはベンの顎めがけて拳を振り上げ、こう言います。「そんな口のきき方しないで、ベン!」
 バランスがとれたお似合いのカップルです。

 アクションあり、ミステリあり、ロマンスあり、と三拍子そろっているためか映画化がすでに決まっているそうです。
posted by 作楽 at 01:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(海外の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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