2010年09月13日

「語学力ゼロで8ヵ国語翻訳できるナゾ」

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水野 麻子 著
講談社 出版

 「語学力ゼロ」というのが誇大表現だとは思いますが、一般的にイメージされる語学力レベルよりずっと劣っていても翻訳者として高い評価を得ることは可能だと納得できました。

 わたしを納得させるのに評価が特に高かったのは次の二点です。

 ひとつめは、知識の吸収方法です。実務翻訳の場合、翻訳対象の分野についての知識が要求されます。著者はその「知識」が具体的にどういうものかを明らかにしています。つまり、すでに知っている(常に知識を保持している)必要はなく、必要な知識を必要なときに取り出せることができれば充分であり、その効率的な対処方法を説明しています。著者は、独立してしばらく、資料代に月額で三〇万円前後のコストをかけていたといいます。それだけの量を効率よくこなせれば、得意な分野でなくとも翻訳する上では問題ないと思います。量をこなすというのは、簡単そうでなかなか踏み切れないことなので、それを強く勧めている点は合理的であり画期的でもあると思いました。

 ふたつめは、ルーティンな作業をコンピューターに任せてしまうことです。訳語を統一する、スタイルガイドにあわせるといった目的の作業は、目検では効率が悪いですし、パソコンに任せてしまえば生産性が上がるのは必至です。パソコンが苦手な人でも真似ができるように、著者は自身の Web サイトで数々のマクロを公開している点も優れていると思います。

 翻訳に限らず、効率化のために仕事の作業を見直したいと考えている方にとっては得るものがあると思える一冊でした。
posted by 作楽 at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(英語/翻訳) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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