2010年11月26日

「みなさん、さようなら」

20101126「みなさん、さようなら」.jpg

久保寺 健彦 著
幻冬舎 出版

 ひとことでいって、とてもおもしろかったです。

 書名は子供のころ学校で言うように指導された「先生さようなら、みなさんさようなら」からきています。

 小学校を卒業したあと、団地の外に一切でられなくなった少年の物語です。中学校が団地の外なので、中学にも行かず、自分で考えた日課をこなしながら、暮らしていく少年は精神のどこかが病んでいるようにも思えるのですが、引きこもりということばを連想しないほど明るい(ちょっと笑える)展開です。

 また社会的潮流ともいえるテーマも同時に進行していって、笑って終わりというものでもありません。ちょっと考えさせられる場面もあります。

 ただ、読んでいる最中はとてもおもしろいのですが、読み終わってなにかが残る作品ではない気がします。ソツなくこなす優等生タイプのエンタテイメント作品という印象です。個性よりも没個性のわかりやすさを追求したのかもしれません。

 わたしは文庫を読んだのですが、とても雑な仕事ぶりなので裏表紙の紹介文は絶対読まないほうがいいと思います。大きな愉しみのひとつがあっさりと奪われてしまいます。
posted by 作楽 at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(日本の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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