2006年06月26日

「人は見た目が9割」

20060626「人は見た目が9割」.jpg

竹内 一郎 著
新潮社 出版

 どの本を読むか決めるプロセスは人によって違うと思います。私は、仕事で必要な本ではなく、自分の楽しみのために読む本は、タイトルや本の装丁に惹かれて、決めることが意外と多いです。たとえば、凹んでいるときは、「幸運」という言葉や元気になりそうな黄色やオレンジの装丁に惹かれたり、といった感じです。

 しかし、稀に売れ筋ランキングなどを見て、長期間ベストテンに入っている本に興味を持って読むこともあります。話題についていく、という面もありますし、多数の方が買いたいと思う本に純粋に興味を持ったりもします。今回選んだのは、ランキングの中でも、タイトルが変わっていて目をひいた「人は見た目が9割」です。

 「見た目」という言葉は、私の生活の中では使われる範囲はごくごく狭いものです。「見た目が貧相」なんてことはモノに対しては使いますが、対象がこの本の中にある「人」となると、「人は見た目じゃないよ。中身だよ。」といった慰めの言葉を掛けてもらうくらいでしょうか。

 そんな言葉の印象を持って、この本を読むと、がっかりします。見た目=非言語コミュニケーションとして始まる時点でかなり苦しいのです。私のものさしで考えると、仕草、声、人と人の間の距離などがすべて「見た目」に入れられると違和感があります。その上、人と言いながら、それがマンガの中の人を構図で捉えたりされると、結局話がどの方向に行っているのかまったくわからなくなります。そのため、肝心の「人の見た目」の話はいつ出てくるのか、と思いながら、最後まで読んでしまいます。

 ただ、内容としてすべてが悪いわけではありません。著者が演出やマンガの仕事を通じて見た、人と人の暗黙の了解などの知識はおもしろいと思います。たとえば、事実はこうだけど、私たちにはこういう暗黙の了解があるので、演出する際には、それに合わせて、つまり事実と違う形で意図を伝えるという作業をしているというような内容です。しかし、それは人の見た目の話ではないと思いますし、もう少し深い考察があってもよいのではないでしょうか。

 本のタイトルと本の中身がまったく別物。そんな印象です。タイトルが意外性に満ちたおもしいものであれば、中身が伴っていなくても売れてしまう。今回、この本から得た最大の知識はそれだと思います。
posted by 作楽 at 20:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 和書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この本を読んで何か物足りない、違和感を感じたのは、御指摘のとおり
『見た目=非言語コミュニケーション』としてしまったところなのでしょう。

また、時間のあるときにお邪魔させていただきます♪
Posted by sawaaripuyo at 2006年08月03日 20:16
sawaaripuyo さんへ

コメントありがとうございます!本を読んで思い出したことや思ったことをつらつらと書いているだけですが、よければまたお越しくださいm(__)m
Posted by 作楽 at 2006年08月04日 12:57
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック