2011年05月24日

「人形遣いと絞首台」

20110524「人形遣いと絞首台」.jpg

アラン・ブラッドリー (Alan Bradley) 著
古賀 弥生 訳
東京創元社 出版

パイは小さな秘密を運ぶ」の続編で、シリーズ第二弾です。

 主人公であるフレーヴィアの、化学好きも辛辣なユーモアも姉との喧嘩も健在です。

 11歳という年齢にそぐわない”おませ”な部分と11歳らしい”無垢”な部分が混ざり合った主人公のキャラクターが今回も光っていて、好感がもてました。

 ”おませ”な部分の代表は、彼女の深遠な化学知識です。化学者の名前や研究内容を滔々と披露し、それらの知識を活かして実際に実験を行ない、捨てられていた吸い殻が大麻だと断定したり、女性の唾液から妊娠していることを突き止めたりして、推理に役立てたりします。また推理のなかで、おとなの男女関係(しかも不倫)を疑ったりする成熟ぶりです。

 その一方で、不倫の具体的なイメージが描けず、おとなにちょっと訊いてみたくなったりもします。また、おばさんと母親のことを語り合う部分や、操り人形の舞台に感動するあたりは、11歳らしさが滲んでいて、ほっこりできます。

 フレーヴィアファンとしては、このまま一歩一歩おとなに向かいながらも、無垢な部分も持ち続けていって欲しいなと思います。
posted by 作楽 at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(海外の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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