2006年07月14日

「かみさま」

20060714「かみさま」.jpg

大平 一枝 著
ポプラ社 出版

 世の中、ペーパーレス化が叫ばれて久しい。Adobe Acrobat Readerが無料なので、有効に使いましょう、とよく言われてきました。そうやって書類の電子化はどんどん進むのですが、それを見る私自身がやっぱりその電子ファイルを紙に出力してしまうのです。「昔の人間だから。」「私はアナログだから。」と訳のわからない理由を言いながら、紙から離れられません。

 仕事でさえそういう状態ですから、プライベートとなるとなおさらです。電子書籍なんて無縁で、本が大好き。電子メールを毎日利用しながら、たまにハガキを出したくなったり、受け取った年賀状やクリスマスカードなどもなかなか捨てられません。

 その他、便箋や封筒、ハガキ、メモ帳にノートなどは、この先何年分あるかわからないのに、かわいいデザインを見ると欲しくなってしまうのです。

 そんな私の強い味方がこの「かみさま」。かみさま、といっても神様ではありません。この「かみ」は紙なのです。著者がひとりひとりの色々な紙に対するこだわりや思い入れ、懐かしい思い出を訪ねながら、ひとつひとつのトピックを丁寧に仕上げられています。もちろん、著者自身にまつわる「かみさま」の話も登場します。紙と一言でいっても、その種類は、名刺、本、封書、ハガキ、DM、包装紙、紙袋、折り紙、おみくじ。ありとあらゆる紙が人との思いと絡まって紹介されています。

 私にとって一番印象に残ったのは、お父さんが海外旅行中に家族の元に送ってきた手紙を探し続けた娘さんのお話。彼女は、とうとうお父さんの手紙を見つけ、その足跡を辿る旅に出ます。その手紙が見つかった経緯やその内容がまた印象深くおもしろいのです。

 電子メールや電子ファイルには宿らない神様が紙には宿るようです。
posted by 作楽 at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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