2006年10月16日

「The Time Hackers」

20061016[TheTimeHackers].jpg

Gary Paulsen 著
Yearling 出版

 ドラえもんに登場する頻度が高い道具に「どこでもドア」があります。ドアを開けた途端、行きたかった場所につながってしまうドア。ああいうツールが欲しいという声を時々耳にしますが、私はそう思ったことは一度もありません。理由は、たったひとつ。どこでもドアで、いきなり自分のプライベート空間に乗り込まれたら、迷惑以外の表現はないように思うからです。

 そんな「どこでもドア」にタイムマシンの機能を付加したようなツールが登場するのが、この「The Time Hackers」。つまり、世界中の場所のどこでも、しかもいつの時代にも移動可能なのです。しかも、それを実現する機械が小さなラップトップコンピュータ。

 しかし、ドラえもんとは違って、そのツールを便利に使うという話ではありません。12歳の男の子二人、DorsoとFrankがそのツールに振り回されるというところから始まります。最初、Dorsoのロッカーに、そのツールを使って実験用のねずみや人間の死体などが送り込まれてきます。次に、彼ら自身がそのツールでさまざまな時代、さまざまな場所に勝手に飛ばされてしまうのです。しかも、突然に。

 そんな迷惑な状況の中で、どうして自分たちが巻き込まれるのか、何がこの状況を引き起こしているのか、を探ろうとする二人。何となく、普通の12歳という感じも受けず、何となく、人間としての親近感もあまり湧いてこない二人。

 よくあるタイムマシンの話ながら、「こんなツールがあれば便利だなぁ」という視点ではなく、おもしろい話だとは思うのですが、心理的描写が少ないというか伝わってこないため、共感を持って読み進める、ということはできませんでした。

 でも、どうして?という疑問から逃れられず、最後まで読み進めてしまいました。そして、最後の最後。Dorsoがタイムマシンという便利なツールで未来を知ることができるとしたら、知りたいと思うことが、12歳らしくて、ちょっぴりほのぼのとした気分になります。

posted by 作楽 at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋書(Age:9-12) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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