2012年06月04日

「文は一行目から書かなくていい」

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藤原 智美 著
プレジデント社 出版

 副題は「検索、コピペ時代の文章術」です。文章を書くうえでの技法を学べるのかと思って読みだしたのですが、話題はそれだけに留まっていませんでした。それを、幅広い分野が網羅されていたと評価することもできますが、正直なところ、わたしはマイナスイメージを抱いてしまいました。

 全部で200ページ足らずというボリュームに対し、範囲を広げ過ぎてしまったのではないかと、感じたのです。たとえば、電子書籍の行方などは、出版を生業とする人たちにとっては書き手として意識しなければならないかもしれませんが、少なくともこの本の読者の大多数は、該当しないと思われます。それなのに電子書籍と従来の紙媒体とを比較したり、出版業界の今後を語る必要がどの程度あったのだろうかと疑問に思いました。

 著者は、狭い範囲でありながら深く掘り進む一本の井戸のように従来の紙の本を捉え、遠くまで広がるものの深みのない遠浅の海のように電子書籍を捉えています。しかしわたしは、200ページもない文章術の本で電子書籍の今後を扱うのは、一本の深い井戸を掘る行為にはそぐわない気がしました。

 ただ、書く側としては読み手の移り変わりを無視するわけにもいきません。それを考えると移りゆく周囲の変化に対して書き手が関心がないのも問題なので、その点をどう扱えば、わたしにとってより読みやすい有益な本になったかと問われると難しいというのが本音です。
posted by 作楽 at 07:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(日本語/文章) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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