2012年12月25日

「死ぬ気まんまん」

20121225「死ぬ気まんまん」.jpg

佐野 洋子 著
光文社 出版

「100万回生きたねこ」の絵本作家が書いたエッセイです。どきっとするタイトルです。癌に罹って余命平均二年と云われ死に備えた彼女を見て、息子さんが「おフクロ、なんかこの頃、死ぬ気まんまんなんですよね」と云われたところからきたタイトルだそうです。

 金と命と惜しまないことを信条としてきた著者の価値観は、共感できる部分があります。
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 私は死ぬまで、どういうつもりで生きていけばいいのかわからない。
 ただ、壮絶に闘うということだけは嫌だ。
 死ぬまで舞台に立ちたいと言った新劇の役者が日々やせおとろえながら立っていた舞台は、嫌だった。お客に失礼ではないか。
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 わたしも同じ意見です。壮絶に闘うかどうかの選択は、ひとりの人間として置かれた立場によって違うと思います。おそらく子育て真っ最中の女性と、著者のように子育てを終えた独り身の女性では違ってくるでしょう。でも、仕事という公の部分で、壮絶に闘う姿を見せられても困ります。壮絶に闘う覚悟が自分にないので、その姿を見ることに尻込みしてしまうのでしょう。じゃあ公からの引き際はいつなのかと問われても、答えられる自信はありません。そういうことも含め、著者の「私は死ぬまで、どういうつもりで生きていけばいいのかわからない。」という言葉に大きく頷いてしまいました。

 最期の日まで心穏やかに一日一日を大切に暮らすのが理想ですが、そんなふうになれるとは到底思えません。著者が2週間ほどホスピスに入っていたころ、余命少ないと告知されながらも穏やかな表情をしていた女性に出会うのですが、わたしはそんな風になれそうにありません。くよくよして暗い表情を見せてしまう気がします。いろいろ考えさせられました。ねこのように100万回とは云いませんが、1回くらい失敗が許されるよう2回くらい生きられるようにならないものでしょうか。
posted by 作楽 at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(エッセイ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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