2013年01月15日

「サンタクロースは雪のなか」

20130115「サンタクロースは雪のなか」.jpg

アラン・ブラッドリー (Alan Bradley) 著
古賀 弥生 訳
東京創元社 出版

 化学大好き少女フレーヴィア・ド・ルースが活躍するシリーズ第4弾です。舞台が、インターネットもない1950年代とはいえ、フレーヴィアは11歳というのに、サンタクロースの存在を信じているのです。ふたりの姉にサンタクロースはいないと言われたフレーヴィアは、サンタクロース捕獲作戦を立てました。サンタクロースの存在を証明する、これ以上の方法はありません。

パイは小さな秘密を運ぶ」や「人形遣いと絞首台」を読んだときも思ったのですが、、幼い面と大人びた面が同居するフレーヴィアが微笑ましく感じられました。たとえば、今回、ドイツの青年と話をする場面があります。
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「ドイツ語ではクリスマスのことをヴァイナハテンというんだ。聖ニコラウス、明かりを灯したクリスマスツリー……聖ニコラウスは十二月六日に子供たちのところへお菓子を持ってきて、ヴァイナハツマンがクリスマスイブにみんなのところへ贈り物を持ってくるんだ」
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 青年がそう説明すると、フレーヴィアは胸をなでおろします。どうしてか? フレーヴィアがヴァイナハツマンを捕獲してしまっても、聖ニコラウスがサンタクロースの代わりを務めてくれると考えたからです。少なくともドイツでは。なんともまあ!

 その一方で、フレーヴィアは心のなかでこんなことも言ってのけます。
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文句ばかり言っている連中というのは自分の声以外、何も聞いていないものだということが、あたし自身の個人的な経験からわかっている。
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 11歳にしては、観察眼がありすぎのこの小さな探偵が今回出くわす殺人事件は、ド・ルース一家が住む屋敷内で起こります。古めかしくてだだっ広い屋敷で映画が撮影されることになり、その一行が滞在しているあいだに事件が起こります。

 殺人事件の行方とともに、フレーヴィアのサンタクロース捕獲作戦も気になる作品です。
posted by 作楽 at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(海外の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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