2007年01月25日

「Double Identity」

20070125[DoubleIdentity].jpg

Margaret Peterson Haddix 著
Simon & Schuster 出版

 「どうして?」という疑問が湧いたら、それを放っておけない性格です。そのため、本を読んでいても、「どうして?」と思ったら、その答えが出てくるまで読まずにはいられません。

 この「Double Identity」は、両親と12歳の娘、Bethanyが車で移動するシーンから始まります。母親は車内で泣き続け、Bethanyは行き先も、どうして母親が泣き続けるかもわからないという不安な気持ちを抱えたまま、車の後部座席から両親を見つめています。

 車はある1軒の家に着き、父親はその家の女性と話をした後、Bethanyだけをその家に置いて、去っていきます。その家の女性は、Bethanyの伯母、Myrlieだというのですが、BethanyはMyrlieの話を聞いたことさえないのです。会ったこともない女性の家にひとり残されるBethany。

 どうして、Bethanyはこんな目に遭ってしまったのでしょう。Myrlieは、本当な何者なのでしょう。色々な疑問が次から次へと湧いてきます。そして、感受性が強く、言葉に敏感なBethanyが大人の会話の内容から、思いを巡らすにつれ、さらに私の疑問も大きくなっていきます。

 「どうして?」の答えがわかりかけてくると、次の「どうして?」が現われ、最後の最後まで、疑問を追いかけるかたちで、息もつかず、読み続けてしまいました。

 比較的重いテーマを扱っているにも関わらず、殺伐とした利害を中心に物語が構成されているのではなく、深い愛情ゆえに事件がひきおこされているため、いやな読後感がありません。

 心理描写が巧みで、ぐいぐいと読者を惹きつける力がある本です。
posted by 作楽 at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋書(Age:9-12) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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