2007年02月23日

「色彩環境へのまなざし―60のメッセージ」

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葛西 紀巳子 著
オフィスワイワイ蜜書房 出版

 「好きなことをずっと仕事でやっていくために知っておきたいこと」で書いたように、好きなことを仕事にすることに抵抗を感じていたのに、好きなことを仕事にするのも悪くないと考えるようになった私。好きなことを仕事にしていくと、こんなにも熱意を持ち続けられるのだということを感じる本をまた見つけ、好きなことを仕事にしていきたいとさらに思うようになりました。

 その本は、アメニティ&カラープランナーの葛西さんの「色彩環境へのまなざし」です。これは、毎月16日(いろの日)に葛西さんが「いろの日ニュース」というハガキを発行され続けた5年をまとめあげた本です。始められたきっかけは、環境における色彩のプランナーというのが、どういう仕事なのか理解されにくいと感じられたからだとか。

 ハガキ1枚の内容と限られているものの、5年分、60通分の内容がまとまると、その軌跡がよく見えます。

 特徴のひとつめは、身近であること。環境という言葉では難しく聞こえても、結局は、身近なことだということを感じさせてくれます。たとえば、学校。誰もが通ったことがあり、どの子供も通うことになる場所。その場所が友達と楽しく過ごせる場所になるのに相応しい彩りはどんなものかを考え、よくしていこうと行動された軌跡が見えます。また、病院。誰もがお世話になったことがある病院での時間を少しでも明るい気分で過ごせるようにするために、彼女が奔走した足跡が見えます。

 特徴のふたつめは、比較がうまいこと。たとえば、あるものの色を、何色と何色ではどういう風に効果の違いがあるかの比較。あるいは、海外と日本との比較。昔と現代の比較。ハガキ1枚に具体的なことを盛り込む技はさすがです。

 特徴のみっつめは、言葉遊びに長けていること。色にまとまりがなく、落ち着かない感じを与える環境に対して、騒音ならぬ「騒色」と名付けるセンス。土地柄と「土地カラー」を掛け合わせる遊び心。学校環境を改善する活動の中で、教育を「共育」と捉え、大人も学んでいく姿勢を見せる謙虚さ。

 ハガキ1枚という制限があったからこそ、熱意のこもった濃い内容になっています。でも、私が好きなのは、熱意がありながらも、適度に肩の力が抜けるような柔らかいところです。

 海外の街並みは素敵、と海外旅行に出掛けられていらっしゃる方で、日本もそんな風になったらいいのにと思われる方がヒントを得られるような本です。
posted by 作楽 at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(エッセイ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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