2013年07月16日

「孤舟」

20130716「孤舟」.jpg

渡辺 淳一 著
集英社 出版

 読んでいて気が滅入りました。定年退職後の男性を描いた作品なのですが、大手企業の役員という立場に対する周囲の評価を自分個人への評価と勘違いしてきた男性は、毎日家に居るようになってもその「オレ様」態度が変わることなく、滑稽です。

 三年足らずという時間を経て、主人公は、亀のような歩みながら、ほんの少し物事が理解できるようになるのですが、それは成長と呼べるようなものではありません。制度が間違っているとか、とかく周囲が悪いと考え続けるからです。そのあたりが、読んでいて気が滅入る原因だと思います。

 この気の滅入る滑稽さで、作家が訴えたかったことは何だったのか、よくわかりませんでした。
posted by 作楽 at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(日本の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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