島田 洋七 著
徳間書店 出版
毎日の食事について、私の友人がいいことを言っていました。「おいしいものをいただくことと、おいしくいただくことは違う。おいしいものは普段と違うものを食べないといけないけど、毎日食べているものに感謝すれば、目の前にあるものをおいしく食べることができる」と言うのです。
要は、心の持ち方、ということでしょう。食卓に向かい、食事ができることに感謝の気持ちを持てば、楽しくそしておいしく、いただくことができるということを忘れているだけのような気がします。
そういう、忘れた気持ちを取り戻して欲しいという想いが伝わってくる本でした。
プロローグには、こう書かれています。「幸せは、お金が決めるものじゃない。自分自身の、心のあり方で決まるんだ。」
お金がなくても幸せに生きた、著者のおばあさんの話が、時代に左右されない大切なことを心に届けてくれます。
笑いながらも、忘れていた何かを思い出させてくれるのです。一番私の心に残ったのが、「人に気づかれないのが本当の優しさ、本当の親切。」この本には、どういうものが親切でどういうものが親切の押し売りなのか、リアルなエピソードで、語られています。優しさや親切は、押し付けるものでもなければ、見返りを期待するものでもない、という基本的なことを忘れがちな自分自身に、はっとしました。本当の優しさを身につけたいと、しみじみと思います。
そして、それ以上に、人のそういう優しさを肩肘張らずに受け取り、感謝できる自分になりたいと、つくづく思うのです。

