2014年04月11日

「語感トレーニング」

20140411「語感トレーニング」.jpg

中村 明 著
岩波書店 出版

 著者は、語感を次のように説明しています。

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 <中心的意味>はその語が何を指し示すか、というハードな論理的情報であり、<周辺的意味>は、その語が相手にどういう感じを与えるか、というソフトないわば心理的情報である。(中略)この本では世間一般の用語に従って、前者を「意味」、後者を「語感」と呼んでいる。
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 そして「意味」と「語感」の関係を次のように喩えています。

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 話すときも書くときも、表現者は二つの別の方向から最適なことばに迫る。何かを伝えるかという意味内容の選択と、それをどんな感じで相手に届けるかという表現の選択である。芸術における素材と手法という関係に似ているかもしれない。
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 この本には、虫食い状態になっている文に当てはめられる単語を選ぶドリル問題が55題用意されています。そして、その虫食い部分に当てはめられる単語がなぜ相応しいのか、逆に当てはめられないのはなぜかを検討しながら、語感を確かめていきます。

 感覚的にどれが相応しいか相応しくないか、おおよそ見当はつきますが、その理由を説明するのは意外と難しいと気づきました。

 また、言われたり書かれたりした言葉が指すものや概念自体に違いが感じられるだけでなく、その言葉を選んだ人にも違いが感じられるということも再認識できました。

 たとえば、<ファスナー>と<チャック>では、もの自体の差より、その言葉を選んだ世代の差が感じられます。一方、<キッチン>と<台所>では、そこからイメージされる空間の差も同時に感じられる気がします。

 ただ、虫食い部分に当てはめる言葉自体も、世代や地域によって差があるかもしれないとも思いました。実際にひとつひとつドリルを進めてみると、ちょっとした言葉に対する感覚の差が感じられる気がします。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(日本語/文章) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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