2014年06月16日

「密会」

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ウィリアム・トレヴァー (William Trevor) 著
中野 恵津子 訳
新潮社 出版

 短篇の名手と呼ばれるだけに繰り返し読みたくなる作品が並んでいます。収められているのは、以下の12篇です。

−死者とともに
−伝統
−ジャスティーナの神父
−夜の外出
−グレイリスの遺産
−孤独
−聖像
−ローズは泣いた
−大金の夢
−路上で
−ダンス教師の音楽
−密会

 始まりは、強烈な印象を与える「死者とともに」です。誰かが亡くなったと聞くと駆けつけて、面識のない遺族に寄り添う人たちが描かれています。故人を知りもしない、遺族に会ったこともない赤の他人が押しかけてきたら迷惑に違いないと思い込んで読み進めたのですが、意外な展開になり、それがまた意外に楽しめました。

 次に印象に残っているのは「ダンス教師の音楽」です。生きているあいだに何ができるのか何を残せるのか、そういう類のことを考える人達もいると思いますが、もしこのダンス教師が世に残せるものがあるか考えたことがあったら……と想像が膨らみました。そしてその音楽とともに過ごすことになったブリジッドの人生に、もし音楽がなかったら……とも想像が膨らみました。

 いつか読み返したい短篇集です。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(海外の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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