2014年06月18日

「古書店めぐりは夫婦で」

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ローレンス・ゴールドストーン/ナンシー・ゴールドストーン (Lawrence Goldstone/Nancy Goldstone) 著
朝倉 久志 訳
早川書房 出版

 ちょっとしたきっかけで古書店から「戦争と平和」を買った著者のナンシー。その「戦争と平和」を誕生日プレゼントにもらった夫のローレンスは、その本が気に入り……。

 いろんな要素が重なって、夫婦そろって古書店めぐりと古書集めに熱中していきます。

 そもそも夫婦そろって読書好き。夫婦喧嘩の仲なおりのきっかけになった本など、自分たちの蔵書に加えたいと思う本に手が伸びるようです。それに夫婦そろって好奇心旺盛。古書店の店主に躊躇いなく教えを請うたり、オークションで一度は本を競り落としてみたいと思ったり。そのうえ夫婦そろって活動的。古書店めぐりをするためにベビーシッターを雇いニューヨークやシカゴまでいそいそと出かけていきます。

 古書店めぐりよりも、睦まじい夫婦仲のほうが羨ましいくらいですが、このふたりの古書店めぐりを読んでいて楽しかったのは、読む対象として本を捉えているからです。高価な稀覯本を手にしてテンションがあがっても、その値段だけに価値を見出すのでなく、評価されるべき作家であるとか、手元において読み返したい物語だとか、そういう眼で本を見ています。もしふたりが本を投機対象として見ていれば、最後までこの本を読むことはなかったでしょう。

 経済的理由から、わたしが古書収集に熱中できる可能性はなくても、読んでいるあいだ古書の薀蓄を存分に楽しめました。何の知識もないところから古書店めぐりを始めたふたりの説明や驚嘆は、わかりやすく共感できるものでした。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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