2014年08月04日

「文・堺雅人」

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堺 雅人 著
文藝春秋 出版

 俳優である著者が多方面に才能ある方なのだと知って、羨ましくなりました。舞台や映画で別人を演じきる才能だけでなく、ひとの内面を言葉にして伝える才能もおありのようです。

 進行中の仕事のはなしを中心に、ふだんからあるいは昔から気になっていることがらへと移っていったり、手垢のついていないご自身のコトバで日々感じたことをあらわしたり、全体的にユル〜い印象を受けても、よく練られた文章のような気がしてならないエッセイでした。

 インタビューがさしはさまれていますが、本来のエッセイの部分は、漢字ひと文字のタイトルが掲げられています。通常ならあとがきにあたる部分は、「終」というタイトルで、そこには、月一回原稿用紙4枚の連載なのに、毎月2週間から3週間もの期間をかけて、エッセイに取り組んでこられたとあります。本のおわりになって、やはり練りに練ったものなのねと妙に納得できました。

 いちばん共感できたのは、品とは何かという考察です。テレビドラマ「篤姫」で、徳川家定を演じたとき、「いきいきと、でも、品はよく」するよう注文されたとき、品とは何かを長い期間にわたって考えられたようです。わたしも「品格」というものについて頻繁に考えてきたので、そのプロセスの似た部分に共感できましたが、わたしならそうわかりやすく説明できなかったと思うと、その表現力が羨ましくなりました。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(エッセイ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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