2014年08月06日

「犯罪心理捜査官セバスチャン」

20140806「犯罪心理捜査官セバスチャン」.jpg

M・ヨート/H・ローセンフェルト 著 (Michael Hjorth/Hans Rosenfeldt)
ヘレンハルメ 美穂 訳
東京創元社 出版

 タイトルになっているセバスチャンという心理学者が主人公なのですが、この男をよく主人公に据えたと変に感心してしまうくらい自己中心的な男で、こういう同僚がひとりでもいれば、それだけで職場が憂鬱になること間違いなしと思うほど嫌なヤツです。

 もちろんストーリーとして成り立っているので、単なるイヤなヤツで終わっているわけではありません。論理構成力や分析力がきわめて高く、犯罪捜査班において暴走防止役を果たすとともに、人の命に関わる場面においては思わぬ活躍を見せたりもします。そういう意外な面を見せられて、過去の辛い記憶が彼におとした翳を思うと、素直な読者としてはセバスチャンの評価を少しばかり上方修正したくもなりますが、やはり総合評価としては協調性の欠片もない嫌なヤツです、おそらく。

 でも、そういう強烈に濃いキャラクターのほうが妙に気になったりしますし、ありえない偶然が最後の最後で発覚したこともあって、もし次作が発表されれば、読んでしまいそうな気がします。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(海外の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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