2014年09月02日

「ストリート・キッズ」

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ドン・ウィンズロウ (Don Winslow) 著
東江 一紀 訳
東京創元社 出版

 ニール・ケアリーという23歳の青年が身体を張って危険な任務をこなす探偵ものです。珍しいのは、タイトルにあるとおりニールは、麻薬に依存する母と暮らす私生児だったため、家庭らしい家庭をもたない子供だったという点です。

 子供のころにジョー・グレアムという探偵と巡りあい、さとられないように尾行することも、見落としなく家捜しすることも、何気なく目にしたことを覚えておくことも、危険から逃れて身を隠すことも、優秀な探偵として必要なことはすべて彼から学び、一人前の探偵として活躍しています。といっても、本人は在籍している大学院を卒業して教授への道を進むのが夢のようですが。

 そんなニールの過去と現在の事件が交錯しながら物語が進むのですが、現在の事件に所々過去の思い出が差し挟まれているだけでなく、ドラマのように、出来事を少し端折ってあとから種明かしするといった構成もあって、映像作品のような感覚を味わうことができます。

 端折ったり巻き戻したりする情報の与え方だけでなく、先の展開が簡単にはわからないように情報の量もコントロールされていて、勢いよく読まされてしまいました。
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