2014年09月27日

「レキシントンの幽霊」

20140927「レキシントンの幽霊」.jpg

村上 春樹 著
文藝春秋 出版

 以下が収められた短篇集です。

−レキシントンの幽霊
−緑色の獣
−沈黙
−氷男
−トニー滝谷
−七番目の男
−めくらやなぎと、眠る女

 村上春樹の短編集で最初に思い出すのは「東京奇譚集」です。現実離れしていたり、現実的な暗い局面であってもさらりと受け止めたり、少しばかりツッコミを入れたくなる可笑しさがあったり、そういう印象を受けた作品集でした。

 それに比べるとこの短編集は、読後、どんよりしてしまう作品が多く、このなかでは一番好みの「レキシントンの幽霊」以降は、読み進めるのに苦労しました。

 たとえば「沈黙」には、とても現実的な部分があって、そこを登場人物がこれ以上ないほど真正面から向き合っているところに逼迫感がありました。また、「七番目の男」は、主人公自らが救われたと言っていながらも、なぜか救われたという実感が伝わってきませんでした。

 それらの暗さにリアリティがあっただけに、気持ちとしては、読んだ内容を忘れたいという方向に傾いたのかもしれません。
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