2014年09月29日

「知ってても偉くないUSA語録」

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町山 智浩 著
文藝春秋 出版

 アメリカに住まう普通の人々の価値観を垣間見ることができた気がします。わたしは、アメリカに本社があるIT企業に勤めている関係で、アメリカ人を思うとき、大学を出て、郊外の戸建てに住み、16歳以上の家族の人数と同じだけ車を所有し、家族で海外旅行を楽しむ人たちを思い浮かべます。

 でもこの本では、そういう人たちよりもう少し幅の広い層の人たちが登場します。しかも書いているのが日本で生まれ育ってアメリカに渡った方なので、日本との比較に共感しながら読めました。

 とりわけ過疎化地域の再生や出生率低下に対する危機感のなさなどの話題は、インパクトがありました。

 かつて自動車産業で栄えたデトロイトは、工場閉鎖などが続いた結果、過疎化が進み、警察官を呼んでも平均58分待たなければならないほどの財政難に陥り、再生を余儀なくされました。日本にも破綻した行政はありますが、いったん大都市になりながら、ここまで急激に過疎が進んだ例はないような気がします。デトロイトを象徴するモノのチョイスが印象的でした。

 日本と似て非なる例のもうひとつは、出生率低下に対する捉え方です。日本ほど極端ではありませんが、アメリカでも出生率が低下しつつあります。その状況下においても、子供のいない生活を選ぶ自由に対しアメリカ人は肯定的です。子供を産んでいない未婚の女性に対してなら、どんな野次を飛ばしてもいいと考える議員が闊歩する日本と比べてしまい、いろいろ考えさせられました。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(エッセイ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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