2014年11月29日

「窓辺の老人」

20141129「窓辺の老人」.jpg
マージェリー・アリンガム (Margery Allingham) 著
猪俣 美江子 訳
東京創元社 出版

 アルバート・キャンピオンという偽名で登場する謎の人物が事件を解決する連作短篇集です。

−ボーダーライン事件
−窓辺の老人
−懐かしの我が家
−怪盗<疑問符>
−未亡人
−行動の意味
−犬の日

 ちょっとした怠け心が大きな謎を生んでしまった「ボーダーライン事件」、お年寄りのちょっとした見栄が悲劇を生んでしまった「窓辺の老人」と読み進めていくうちに、シニカルな展開を楽しんでいる自分に気づきました。

 とりわけ「怪盗<疑問符>」では、ある女性が自分の身の回りを世話してくれるお気に入りのメイドが仕事を辞めてしまわないように取り計らったつもりが、キャンピオン氏が謎解きに乗りださなければ、大変な不幸が身にふりかかってしまうところまで追い詰められてしまうありさまです。

 ミステリ短篇集は、長篇と違って読者をミスリードする手がかりをあちこちに埋めたりするボリュームがないだけに少し物足りなく感じることが多いのですが、この短篇集は、「どうしてそんなことに……」という意外性と登場人物の個性に惹かれて、もう一篇もう一篇と読んでしまい、途中でやめられなくなってしまいました。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(海外の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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