2014年12月06日

「この声が届く先」

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S・J・ローザン (S.J. Rozan) 著
長良 和美 訳
東京創元社 出版

 ビルとリディアのシリーズ10作目は、ビルの視点で描かれていて、リディアはほとんど登場しません。というのも、リディアは誘拐監禁され、ビルがその居場所をつきとめる役目を担っているからです。

 そしてビルの助っ人となるのは、「冬そして夜」にも登場して鍵となる情報を見つけだした、リディアの親戚ライナスと彼の女友達トレラです。ライナスは、IT分野に明るく、ハッカー仲間などの人脈も広く、Twitterを駆使するといったビルが思いつきもしない方法でリディアの捜索に協力します。

 このシリーズでお馴染みとなったリディアとビルの捜査の運び、つまり見落としがないかを相棒同士でチェックしあう仕組みがない状態をライナスとトレラが補う方法が新鮮でした。そして緊迫する状況のなかで、癒し系としての存在が際立つライナスの飼い犬ウーフも、読者を和ませつつ、事件解決に貢献します。

 シリーズも10作目となると新鮮味が薄れてくるので、こういう脇役の登場は、効果的だと思います。
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