2014年12月22日

「ウォータースライドをのぼれ」

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ドン・ウィンズロウ (Don Winslow) 著
東江 一紀 訳
東京創元社 出版

 ニール・ケアリーを主人公とする当シリーズは、今作より前に三作ありましたが、それらとはまったく異なる仕上がりになっています。

 これは、前作「高く孤独な道を行け」の翌年、ニールが29歳くらいの作品です。それまでのあまりに幸薄い印象とはうってかわって、前作で付き合いはじめたカレンと幸せに暮らしているニールのところに養父グレアムがあらわれます。いつもながら探偵業から足をあらいたいと願うニールに、テラスをつくる資金にするため仕事を請けようと言い出すのは、カレンです。

 こうしてふたりの幸せのために仕事を請けたニールの案件は、終始コミカルに進みます。ニールがのっぴきならない状況に陥るのも、人が死んでしまうのも、いままでと変わりませんが、これまで見られなかったタイプの登場人物が勢ぞろいし、ニールを振り回すのです。

 加えてニールが、カレンの未来の夫ニールとして、カレンの意向を汲んだ決断をした結果、意外な結末を迎えることになり、シリーズの方向性が大きく変わりました。ここでシリーズ終了となっても良さそうな結末ですが、もう一作あります。気になるので、シリーズ最終作品まで読んでみたいと思います。
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