2015年02月27日

「緑衣の女」

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アーナルデュル・インドリダソン (Arnaldur Indridason) 著
柳沢 由実子 訳
東京創元社 出版

 CWAのゴールドダガー賞とガラスの鍵賞を受賞した作品です。

 話は、白骨が発見されるところから始まります。その白骨は、発掘を始めたときから、およそ70年前に埋められたと推定されていました。物語りの舞台となっているアイスランドにおいても、当時はそう豊かな時代ではなく、墓地に埋葬する余裕がなくて住宅の庭に埋められた可能性もあります。それでも何が起こったのかを調べるべく刑事たちは奔走します。そのストーリーと、それに並行して語られるもうひとつのストーリーが交わったとき全貌が明らかになるという構成です。

 冒頭で白骨が70年前から埋まっていたとわかった時点で、そんな昔のことを調べあげて意味があるのだろうかと思いました。たとえ殺人事件だったとしても、加害者も被害者遺族もすでに亡くなっている可能性が高いと思ったのです。

 でも最後まで読んで感じたのは、この作品は、時間が経っても忘れてはいけないことがあると訴えているのではないかということでした。シリーズ4作目のこの作品だけでなく、3作目にあたる「湿地」も事件の発端は昔にありました。シリーズ全体を貫くテーマなのかもしれません。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(海外の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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