2015年04月02日

「バネ足ジャックと時空の罠」

20150402「バネ足ジャックと時空の罠」.jpg

マーク・ホダー (Mark Hodder) 著
金子 司 訳
東京創元社 出版

 時代は19世紀、場所はロンドン。わたしたちに馴染みのある舞台設定のはずなのに、そこかしこに見慣れないものが登場します。ひとつは、蒸気などの動力を利用した機械類。1人乗りヘリコプターのような飛行手段が警察などで活用されていたりします。もうひとつは、ある特定の資質だけを強化させた動物たち。しゃべるインコは、託されたメッセージ内容を1度聞いただけで覚えて伝書鳩のようにメッセンジャーを務めています。

 そんなことになった原因は、結末で詳らかにされるのですが、その原因と密接に関係する事件を探る密偵の任を首相からじきじきに受けたサー・リチャード・フランシス・バートンがこの物語の主人公です。この人物は、実在した探検家なのですが、そのほかにも歴史上記録が残っている人物が多数登場しますが、それぞれみな残された記録と似ているような似ていないような判別しがたい様子で登場します。

 こういう細かな設定を楽しめる作品ではありますが、歴史が変えられたからくり自体はとてもシンプルで、いままでに数多発表された作品を超えるものではないと思います。そしてこういう細かな設定を楽しめるかどうかは、歴史上の人物をどれだけ知っていて、当時のロンドンをどれだけ思い描けるかによると思います。わたしはあまりそのギャップを楽しめませんでした。
posted by 作楽 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 和書(海外の小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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